VRエンジニアとは? 仕事内容や必要なスキルを解説

「VR(バーチャルリアリティ)」という言葉をゲームや映画に関する話題の中で耳にしたことのある人も多くいるはずです。VRの技術開発に携わるエンジニアをVRエンジニアといい、現在注目されている職業の一つとなっています。

今回は、VRエンジニアとは何か詳しく説明した上で、VRエンジニアになるにはどうすれば良いかも解説していきます。

VRエンジニアとは

VRエンジニアとはITエンジニアの一つです。CG、実写映像などといったユーザーが仮想体験するVRコンテンツの制作を主に担当します。

VRエンジニアには、フロントエンジニアとバックエンジニアというポジションがあります。フロントエンジニアがコンテンツの制作を担当し、バックエンジニアが設計、及びプログラミングを行います。

VRコンテンツの制作は処理が複雑であり、ソーシャルゲームの開発よりも難しいといわれています。ソーシャルゲームの開発経験のあるエンジニアであっても、VRコンテンツの制作に苦戦する人は多いです。

VRとは

VRは「バーチャルリアリティ(Virtual Reality)」の略語であり、日本語では「仮想現実」と呼ばれています。

ユーザーはヘッドマウンテントディスプレイを着用することで、3D仮想世界を体験できます。3D仮想世界は360度に広がるため、ユーザーは異世界に訪れたような気分を感じられます。

現在、様々な場面で使用されているVR。ゲームや動画以外にも、教育システム、飛行機や医療現場の訓練、災害対策においても活用されています。

仕事内容

VRエンジニアと一括りでいっても、仕事内容は担当する分野によって大きく異なります。ここでは、コンテンツ制作、コンテンツ設計、テスト、及びデバッグについて説明していきます。

コンテンツ制作
コンテンツ制作では作成された設計をベースにして、コンテンツを制作します。開発にはゲームエンジンが用いられることが一般的であり、代表的なものとして「Unity」「Unreal Engine」が挙げられます。

ゲームエンジンにはVRを制作するための様々な機能が搭載されています。VRコンテンツのグラフィック、シミュレーション、サウンドなどの制御機能を活用することで、制作を円滑に進めることができます。

ゲームエンジンにおいてもプログラミング言語を使用します。C#やC++が活用される場面が多いです。

コンテンツ設計
コンテンツ設計では、VRゲームやVRアプリに表示するフィールドやキャラクターの設計を行います。加えて、キャラクターなどのアニメーションやモーションといった画面に表示するものについても設計します。また、プロジェクトによって、サウンドやストーリーを含めて制作することもあるでしょう。

VRが取り扱うデータ量は莫大なものです。そのため、導入を行うプラットフォームにおいて問題なく動作する設計であるか細心の注意を払わなければなりません。

テスト、及びデバッグ
制作における全ての作業が終わったら、テスト、及びデバッグでコードの品質の検証をします。この時に、バグが発生しないか、不具合はないかなど確認します。

問題が見つかった場合、設計、コーディングに戻り修正作業をします。問題や不具合がなくなるまで、修正とテストを繰り返します。

年収

VRエンジニアの平均年収は約550万円といわれています。日本人の平均年収が約400万円であることを考慮すると、VRエンジニアの年収は高いと見做せるでしょう。

活躍しているVRエンジニアの中には年収2,000万円前後の人や、フリーランスでも月単価70万円の案件を受注している人もいます。

このような高額な年収である理由として、VRエンジニアにはエンジニアの中でも高いスキルや技術が要求されるところにあります。

VRエンジニアに必要なスキル

VRエンジニアになるためには、専門的、かつ高度なスキルを身に付けなければなりません。

以下、VRエンジニアに必要不可欠なスキルについて説明していきます。

ゲームエンジン

VRエンジニアはゲームの制作に携わる機会も多いです。ゲームエンジンを使いこなすことができれば、仕事の幅は広がるでしょう。

UnityとUnreal Engineは代表的なゲームエンジンです。Unityは世界各国で使用されているゲームエンジンで、VRゲームのみならず、動画を制作することもできます。ゲームの制作を直感的に行えるため、コードに苦手意識を持つ人も安心です。

Unreal Engineはゲームの効率良い制作をサポートするゲームエンジンです。グラフィック性能が高く、ゲーム制作に活用できるライブラリも充実しています。

プログラミング

VRエンジニアとして活躍するためには、プログラミングの知識が必要になります。扱う言語は案件によって異なりますが、以下、VRエンジニアが使う機会の多い言語を見ていきましょう。

JavaScript
ゲーム開発のフロントエンドなどで使用します。Webページ制作でも頻繁に使用されており、VRエンジニア以外のエンジニアにおいても最も求められる言語の一つです。

Bolt
ゲームエンジンのUnityにおけるビジュアルスクリプティングツールです。Unityアセットストアからダウンロード可能で、利用料はかかりません。

C#
C言語をベースに開発された言語で、オブジェクト指向となっています。Unityを使用する際に必要となる言語で、プログラミングにより詳細なカスタマイズを行う際に用いられます。

Blueprint
プログラミング言語が左から右へと流れる点に特徴のある言語です。視覚的にプログラムを作成できる「ビジュアルスクリプティング」を行う際に用いられます。

動画編集、撮影技術

VRエンジニアには動画の編集や撮影が求められることもあります。360度カメラやドローンの使い方を理解している人材は重宝されるでしょう。また、動画を撮影するだけでなく、カットなどの編集作業も含めて依頼されることがあります。

VRエンジニアの需要

VRを導入した製品の需要は年々高まっており、最近ではVRゴーグルが一般家庭にも普及しており、観光、不動産などにおいてもVRは利用されるようになってきました。

また、大容量の映像データの送受信が5G通信による行いやすくなったことで、VRのような仮想現実世界をオンラインで実現しやすくなりました。

このような理由から、今後もVRエンジニアのニーズがさらに高まると考えられています。

VRエンジニアになるには

高いスキルの求められるVRエンジニアですが、新卒で入社する場合はゼロからスキルを会社負担で身につけることもできます。プログラミング未経験であっても、ポテンシャルや高いコミュニケーションスキルのある人は、将来性を見込まれて採用されるケースも多いです。

未経験からVRエンジニアに転職する場合は、自身でスキルを身につけておく必要があります。VRエンジニアとしてのスキルを身につけるためにスクールに通う人も多いです。スクールに通うメリットとして、効率良く学べる、分からないことを講師に質問できるといったことがあります。

VRエンジニアには企業などに属さずフリーランスとして働く選択肢もあります。フリーランスとして安定収入を得るには、高いスキルが必要です。

まとめ

VRエンジニアは注目されている職業の一つです。暮らしにおける様々なシーンでVRが導入されている今日、VRの開発に携わる力のある人を求める企業は増えています。

VRエンジニアとして働くには専門知識の取得や学習が不可欠です。高いレベルが求められる職業ではありますが、自己成長や高収入も期待できる職業といえるでしょう。

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