DX人材はなぜ必要?DXを担う職種や求められるスキルとは!

IT社会と言われる今日、IT、ソフトウェア、デジタルにおける分野の仕事は非常に増えています。本記事で取り上げるDXもその1つ。そして今、DX人材の不足が深刻な問題となっていることは注目すべきポイントと言えるでしょう。

DXとは「デジタルトランスフォーメーション」の訳であり、ICTの浸透によって人々の暮らしがより良く変化するという意味を持ちます。私たちの暮らす社会において、DXによって社会・経済システムにICTが活用されたり、ICTの能力を引き出せる社会・経済システムが誕生したりすることが期待されているのです。

本記事では、今注目されているDX人材の意味を確認した上で、DXを代表する職種をご紹介していきます。DXやDXの仕事に興味のある方は、参考にしてみてください。

DX人材とは

まずは、DX人材の定義について確認していきましょう。

経済産業省による「DXレポート2(中間取りまとめ)」では、DX人材を以下のように説明しています。

自社のビジネスを深く理解した上で、データとデジタル技術を活用してそれをどう改革していくかについての構想力を持ち、実現に向けた明確なビジョンを描くことができる人材

引用元:2020年 経済産業省「デジタルトランスフォーメーションDXレポート2(中間取りまとめ)」https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201228004/20201228004-3.pdf

DX人材を簡単に言うと「企業が市場に提供しているサービスをITシステム化する人材」のことです。

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の調査では、多くの企業でDX人材の不足が懸念されていることが分かっています。また、経済産業省によるDXに関するレポートでは、日本の企業が抱えるIT関連の課題が未解決の場合、2025年には年間で最大12兆円の経済損失が生じるという危機感が記されています。

これらの問題を解決するためには、DX人材の早急な確保や育成が不可欠なのです。

参考:2019年 IPA:「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査(サマリー)」
https://www.ipa.go.jp/files/000073017.pdf

2018年 経済産業省:「DXレポート~IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開~(サマリー)」
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_01.pdf

DXを代表する職種

DX人材とは具体的にどのような職種に就く人材を指すのかを見ていきましょう。DX人材に求められる力は幅広く存在し、仕事内容も多岐にわたります。

そして、今後のIT社会を担うために、いずれの職種も求められています。

プロデューサー

プロデューサーとは、企業におけるDX推進をまとめるリーダー的立場にある人のことを言います。企業が抱える課題を発見し、改善へと導くコンサルタントとしてのスキルから企業、及びチームメンバーを導くリーダーシップも求められます。

プロデューサーとして働くにあたって、DX関連の仕事に幅広く従事した経験、長年にわたる職務経歴も必要になることが多いです。

アーキテクト

アーキテクトの仕事はビジネスに関するシステム設計、及びコンサルティング業です。ビジネス、IT課題の分析をし、解決に導くために設計を行っていきます。

そのためアーキテクトには設計技法、アーキテクチャ設計、標準化と再利用、コンサルティング技法の活用といった能力が必要です。

アーキテクトはWebシステムの設計士と言えるので、企業が導入するシステムの完成を担う重要なポジションになります。

ビジネスデザイナー

ビジネスデザイナーとはDXの実現に向けて、事業を計画・構築する人材のことを言います。ビジネスデザイナーの仕事は企業における企画職に重なる部分もあります。

ビジネスデザイナーとして働くためには、企画力やビジネスにおけるアイディアを生み出す力を持っていることが大前提です。ビジネス、及びプロジェクトを成功させるために計画を緻密に立てていく力が求められます。

UXデザイナー

UXとはユーザー体験(User Experience)の略で、ユーザーが1つの製品やシステムを通じて得られる経験のことを指します。

UXデザイナーはこのユーザーの経験を基に、ユーザーが楽しく、快適に利用できる製品やシステムをデザインします。

UXデザイナーとして働くためには、UIデザイナー(ユーザーが使いやすい製品やシステムをデザインする)やWebデザイナー(Webサイトの制作及び、デザインをする)に求められるスキルが必要になります。

エンジニア/プログラマー

エンジニア/プログラマーとはデジタルシステムの実装、インフラ構築、コーディング等を担う人材のことを言います。アーキテクトによって設計された仕様に基づき、プログラミングをし、システムが動くようにテストや修正を行います。

エンジニア/プログラマーはITスペシャリスト(プロジェクトにおいて技術面からサポートをする)やアプリケーションスペシャリスト(アプリケーションについて専門技術を活用する)のスキルが求められるでしょう。

データサイエンティスト/AIエンジニア

データサイエンティストとは、DXに関係するデジタル技術やデータ解析を行う人材のことを言います。データサイエンティストの最大の役割とは、ビックデータ(膨大なデータ)からビジネスに利用するデータを選別するところにあります。

データサイエンティストとして働くには、ビジネス力、データエンジニアリング力、データサイエンス力が求められます。

AIエンジニアとは、エンジニアの中でもAIに特化している人材のこと。データを解析する点ではデータサイエンティストと似ていますが、選別したデータを基にシステムを作る仕事も担います。実際の現場では、データサイエンティストとAIエンジニアを兼業している方も多くいます。

DX人材に求められる知識やスキル

DX人材は専門職であるため、専門知識、及び高いスキルを持つことは最低条件となります。上述したように、DX人材と言っても、職種によって仕事内容は異なるため、各職種に合った知識やスキルを身に付けることが大切です。

以下、DX人材に必要な基本スキルを確認していきましょう。

システムやサービス設計

DX人材には、エンジニア、プログラマーと同様に、システム、及びサービスを設計する力が求められます。

特に、UXデザイナーの場合は、ユーザーが使用しやすいシステムを構築するために、どのようなデザインやユーザーインターフェースが適しているかを判断できる力が重要になります。

DX人材として働きたい方は、システム、及びサービス設計に関して、幅広く情報を身に付けておくと良いでしょう。

データサイエンス領域

DX人材にもデータサイエンスに関する知見は不可欠です。データサイエンスの領域には、統計学、基礎数学、R、Pythonなども含まれています。

最近では、データサイエンティストを育成する大学、専門学校なども増えています。DXの中でもデータサイエンスの分野に関心のある方は、こうした学校で学ぶことも検討してみると良いでしょう。

IT分野の基礎知識

DX人材が関わる業界とはIT業界、デジタル業界です。DX人材としてどのような職種に就くにしても、IT関連の基礎知識は大変重要になります。Webサイト、アプリケーションなどのITの仕組みを理解しておく必要があります。あわせて、DX人材として活躍するにはITリテラシーや最先端技術の知識なども重要です。

DX人材はITの知識を活かして、企業間の競争を優位にしたり、企業が抱える問題を解決したりしなければいけません。

まとめ

DX人材の重要性は数年前から唱えられていましたが、ここ最近ではより一層重要視されるようになりました。その背景には、多くの企業が業務をデジタル化していることが挙げられます。そして、DX人材が増えなければ、「2025年の壁」と言われているように、2025年以降最大12兆円の損害が1年間で生じると危惧されていることも関係しています。

DX人材になるためには、IT、デジタルに関係する技術・知識が必要不可欠です。最近では、これらについて学べる大学の学部、専門学校なども増えてきています。

DX人材は不況である今日においても求められる人材であり、これからの社会でもますます需要が高まることが期待されています。

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