【フリーランスの始め方】必要な手続きをまとめてご紹介!

ここ数年の間に、フリーランスという働き方が広く浸透しました。

フリーランスは会社員に比べて自由度が多く、時間・場所を問わず働けます。そのため、育児・介護との両立、または趣味との両立もしやすいメリットがあります。

一方、フリーランスのデメリットとして、自分自身で仕事の獲得、年金・税金の支払い、給与の計算など全て行わなければならないことが挙げられます。

そこで本記事では、「フリーランスになりたいけど、何から始めてよいのか分からない」という方のために、フリーランスになる際に必要な手続きについて解説していきます。

開業届を提出する

フリーランスになることを決めたら、開業届(正式名称:個人事業の開業・廃業等届出書)を税務署に提出しましょう。

開業届とは、個人の事業を開始する時や、事務所・事業所の新設、事業の廃止などを行った際に、税務署へ提出する書類のこと。提出期限は開業日から1ヵ月以内なので、提出するのを忘れないようにしましょう。

開業届は国税庁のサイト、または近くの税務署で入手できます。開業届を作成する上で分からないことがあった場合、近くの税務署に質問することも可能です。

開業届を出すことで、以下のような恩恵を受けられますよ。

小規模企業共済に加入できる

フリーランスには退職金がありません。それゆえに、フリーランスになることを躊躇される方、フリーランスの中でも将来について不安に思われている方は少なくありません。

小規模企業共済に加入することで、退職時、および廃業時に給付金が支給されます。小規模企業共済の掛け金は月額1000円から可能なので、金銭的に余裕のない方も少額から始めることができます。20年経てば、元本割れする心配もありません。

証明書の代わりになる

フリーランスには所属がないため、社会的信用を得難い場面も少なくありません。職業、または所属を聞かれた時に、何と答えようか戸惑ってしまう方がいるのも事実です。

フリーランスの知名度は上がっていますが、フリーランスの職業としての信頼性は正社員に比べるとまだまだ低め。そうした中、開業届を提出していれば、「個人事業主」という肩書きを得られるので、これに助けられる場面もいくらかあるはずです。

たとえば、個人事業主として開業していれば、ローンを組む際や保育園の契約時などにも開業届が証明書代わりになるので便利です。

屋号付きの銀行口座が開設できる

開業届を提出しているフリーランスは、屋号付きの銀行口座を作ることができます。

屋号があれば、事業用の銀行口座を開設できるため、所得の管理がラクになります。プライベートの口座と事業用の口座を分けたい方は、屋号で口座を作ることをおすすめします。

屋号があれば、振り込み相手に自分の本名を知られる必要がありません。ニックネームを使ってフリーランスとして活動している方には嬉しいポイントですね。

青色申告をする

フリーランスは会社員と違い、自分自身で年間の所得について税務署に告知を行う義務があります。

フリーランスの確定申告の方法として、青色申告と白色申告の2種類があります。青色申告と白色申告にはどちらもメリットがありますが、開業届を提出したら、節税効果のある青色申告をするのがおすすめです。

白色申告は簡易帳簿で良いため、確定申告をわずかな負担で行えます。青色申告は事前に「開業届」と「青色申告承認申請書」を提出する必要がありますが、白色申告はそのような承認は必要ありません。

それでは、青色申告をするとどのようなメリットがあるのか解説していきます。

特別控除がある

青色申告の最大のメリットは「青色申告特別控除」を受けられるところにあります。

青色申告特別控除を利用すると、所得から最大65万円、55万円の控除が受けられます。この制度の適用によって所得が下がるので、納税額が少なくなります。

この青色申告特別控除を受けるには、以下の条件を満たす必要があります。

・青色申告承認申請書を提出する
・「事業所得」もしくは「不動産所得」がある
・複式簿記で記帳する
・「貸借対照表」と「損益計算書」を添付する
・e-Taxによる申告(電子申告)または電子帳簿保存を行う

また、青色申告特別控除の65万円の要件を満たさなかった場合でも10万円の控除を受けることができます。

赤字を3年間繰り越せる

青色申告では赤字を3年間にわたって繰り越しできます。

白色申告の場合、今年赤字が出たとしても翌年黒字であれば、税金を支払う義務が発生します。

青色申告であれば、今年赤字で、翌年が黒字だった場合でも、今年の赤字を翌年の所得から差し引けるため、税負担を減らせるのです。

赤字を翌年以降に繰り越すには、その損失が「事業所得」「不動産所得」「山林所得」から生じたものに限るので、覚えておきましょう。

年金の手続き

会社員の方は厚生年金に加入しますが、会社員をやめてフリーランスになった場合、加入する年金は国民年金になります。会社員は給与から年金が天引きされますが、フリーランスは自分自身で年金を支払っていかなければなりません。

ここからは、国民年金に切り替える方法と国民年金を支払えなかった場合の対処方法についてお伝えしていきます。

国民年金への切り替えるには

国民年金に切り替えを行う際に必要な書類を紹介します。

■本人確認書類
本人確認書類として、下記いずれかを持参する必要があります。

・年金手帳
・運転免許証
・マイナンバーカード(個人番号カード)または通知カード
・日本国発行のパスポート
・特別永住者証明書もしくは在留カード(外国人の方)

■勤務先、および退職年月日が確認できる書類
退職を証明する書類として、下記いずれかを持参する必要があります。

・離職票(職業安定所に提出する前に)
・社会保険資格喪失証明書(連絡票)
・退職証明書
・退職日の記載された源泉徴収票
・退職辞令

厚生年金から国民年金の切り替えは、退職後14日以内に行う必要があります。手続きは市町村役場で行えますよ。

国民年金を払えない場合

フリーランスとして開業して間もない時期は、国民年金を支払える余裕がないかもしれません。このような場合、年間の所得額に応じて国民年金の支払いを免除できます。免除申請を提出することによって、年金の支払いが免除され、かつ将来的に年金を受け取れます。

年金の支払いを免除した場合に発生するデメリットとして、年金を納入した場合よりも受給額が下がることを挙げられます。将来、支給される年金が少なくなることを覚えておきましょう。

国民健康保険または任意継続

企業を退職してフリーランスになったら、年金同様に健康保険の切り替えも必要です。退職後、国民健康保険に加盟するか、会社員時代の健康保険を任意継続するか自分で決めることができます。

健康保険に関する手続きも年金同様に役所へ出向いて、自分自身で行う必要があります。手続きにあたって必要な書類も自分でそろえなければいけません。

ここから、国民保険の切り替えの方法と任意継続の方法について説明していきます。

国民健康保険に切り替える場合

国民健康保険は市町村窓口にて退職から14日以内に届ける必要があります。

この手続きには、健康保険資格喪失証明書が必要です。この証明書を離職届、もしくは退職証明書に代えて手続きすることも可能です。

国民健康保険に切り替えを行う場合は、下記の書類を持参して役所に出向いてください。

・本人確認書類
・資格喪失が確認できる書類(健康保険、厚生年金保険資格取得、資格喪失等確認請求書、離職票など)

任意継続の場合

フリーランスになった後も社会保険を継続することができます。任意継続の場合は、社会保険に2ヵ月以上加入していることが条件になります。退職後20日以内に協会けんぽ、もしくは会社の健康保険組合に申請してください。

社会保険を任意継続したとしても、永久に継続できるわけではありません。加入期間は2年間、その後は国民保険に加入することになります。

まとめ

フリーランスは定まった勤務時間がなく、かつ自分の好きな場所で働けるため、自由度が高い働き方と言えます。

しかしその代償として、税金の支払い、役所関係の手続きなどは全て自分で行わなければいけません。フリーランスとして働くためには、特定のスキルや専門知識のみならず、事務スキル、ならびに会計処理のスキルも必要になります。

フリーランスになる方は、本記事で紹介した諸手続きなどを参考にしてみてくださいね。

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