フリーランスエンジニアは何歳まで働ける? 実態とキャリアの築き方
- 2022/4/15
- コラム
会社員や公務員には定年制度がありますが、フリーランスには定年がありません。フリーランスエンジニアとしてこれから働こうという人の中には、「フリーランスエンジニアは何歳まで働ける?」「フリーランスエンジニアの平均年齢は?」といった疑問を抱えている人もいるはずです。「自分が働きたい限り継続して働けるから老後の心配も少ない」と考えている人がいる一方、「歳を重ねても若い時と変わらず、案件をもらえるのだろうか」と悩んでいる人もいます。
そこで本記事では、フリーランスエンジニアの実態を確認した上で、年齢に制限があるといわれる理由やキャリアを築く上でのコツや注意点などについて説明します。
フリーランスエンジニアの実態
定められた時間や場所がないため、比較的自由に働けるフリーランスエンジニア。フリーランスエンジニアにはメリットがある一方、デメリットもあります。
ここでは、フリーランスエンジニアの実態について見ていきましょう。
定年はあるの?
結論を先にいうと、フリーランスエンジニアには定年がありません。
会社や公的機関には定年制度がありますが、フリーランスには定年がないため、自分で仕事を辞めるタイミングを決めることができます。そのため、60歳を超えてもフリーランスエンジニアとして働くことは十分可能です。
フリーランスに定年はありませんが、歳を重ねてもエンジニアとして働き続けるには体力がなければなりません。椅子に長時間にわたって座り続けられる体力や、作業に没頭できる集中力がなければ案件をこなせなくなってしまうでしょう。
フリーランスが多い年代は?
内閣官房の日本経済再生総合事務局が行った「フリーランス実態調査結果」によると、フリーランスは40代以上が7割を占めていることが明らかになりました。50代のフリーランスは20%、60代以上のフリーランスは30%という結果です。50代、及び60代のフリーランスは全体の半分を占めています。
SNSなどを見ていると、フリーランスは20代や30代が多いといった先入観を抱きがちですが、実情としてはミドル層以上のフリーランスがとても多いのです。
年齢に限界があるといわれる理由
ここまで見てきたように、フリーランスエンジニアに定年はありません。しかし、フリーランスエンジニアについて年齢に限界があるという指摘も少なからずあると見受けられます。
以下、フリーランスエンジニアに年齢制限があるといわれる理由について説明します。
新しい技術に対応できなくなる
エンジニアを取り巻く環境は日々変化しています。そのため、ある時代では求められていたスキルやプログラミング言語であっても、時代とともに求められなくなることもありえます。
フリーランスエンジニアとして働き続けるためには、最新情報にアンテナを張り、新しいことを吸収し続けなければなりません。過去に稼げたスキルやプログラム言語であっても稼げなくなることもありますので、最新の情報や技術を吸収する力が重要といえます。
案件によっては年齢制限がある
30代くらいまでのエンジニアを対象に募集を出しているプロジェクトもあります。ミドル層以上になると、マネジメント的な仕事やより上流工程の作業が求められるようになるため、若い世代よりもリーダーシップスキルや高度なスキルが求められるようになります。
また、若手社員で構成されている企業の場合、業務を委託するフリーランスに年齢の近い人を求めることもあるようです。同年代のフリーランスと仕事をしたいと考えるクライアントも少なからずいますので、スキルがあっても年齢的な面で採用されにくくなることもあります。
体力と集中力がついていかなくなる
40代を過ぎると、20代や30代の時よりも疲れやすさを感じたり、長時間に及んで作業を集中して行うことが難しくなったりします。
忙しいプロジェクトの場合、クライアント側から体力的についてこられるのか疑問視されるケースもあるようです。
キャリアの築き方のコツ
ここまで説明したように、フリーランスエンジニアに定年はありませんが、注意点としては年齢が理由となって不利な立場に追い込まれてしまうこともないとはいいきれません。
フリーランスエンジニアとして年齢を重ねても働いている人や、20代や30代のフリーランス以上に高額な年収を稼いでいるミドル層も多くいると見受けられます。
以下、フリーランスエンジニアのキャリアの築き方について説明します。フリーランスエンジニアとしてのポイントをおさえることで年齢を重ねても働けますので、是非、参考にしてみてください。
20代30代から取り組みたいこと
高いスキルを誇るエンジニアは年齢を問わず、クライアントから重宝されるはずです。高いスキルとは資格や専門知識のことをいいます。また、最新情報に精通しているエンジニアや第二言語のできるエンジニアを求めるクライアントもいます。
ハイレベルなスキルは短期間で身につけることは難しいでしょう。20代や30代のうちから将来のことを考えて、スキルアップに努めることをおすすめします。
また、フリーランスエンジニアとして働き続けたい人はライフプランについてしっかりと考えておくことが重要です。フリーランスは正社員と比較して不安定ですので、貯金をしたり、自身で保険などに加入したりすることをおすすめします。
40代の課題と対策
40代以上になると、案件を20代や30代と比較して取りにくいと感じることもあるかもしれません。クライアント側が自身と同じくらいの年齢のフリーランスを求めているということも少なからずありえます。
40代以降もフリーランスとして案件を獲得したい場合は、若い人たちには負けないスキルを持つことの他、経験と実績が重要になります。想定外のトラブルにも対応できる高いスキルがある人や、業務を安心して任せられる実績のある人は、フリーランスエンジニアとして40代以降も仕事を獲得しやすいと考えられます。
また、40代になると、チームで行う案件において自身の役割を坦々とこなすだけでなく、リーダーシップスキルや面倒見の良さなども求められるようになります。
50代は強みを生かそう
50代のフリーランスエンジニアには、50代ならではの強みや良さがあります。50代の良さは20代や30代が簡単に模倣できることではないので、50代だからこそ求められる案件やプロジェクトはあります。
50代がフリーランスエンジニアとして活躍するためには、高い経験値や高度なスキルを持っているかが重要になります。50代になって、この年代ならではの強みを生かすためには、20代や30代の時からスキルアップなどの努力をしていることが前提となるでしょう。
まとめ
フリーランスエンジニアには定年がないため、仕事を辞めるタイミングは自分で決められます。
近年、年金支給開始年齢の引き上げなどによって、65歳以上、ないし70歳、80歳になっても働こうと考える人は増加傾向にあります。フリーランスエンジニアは自身が最新技術に適応し、案件をこなせる体力があれば仕事を継続することも可能です。
年齢を重ねても働く上での注意点として、20代や30代のうちにスキルを磨いておくことや、業界内で人脈を形成しておくことなどを挙げられます。フリーランスエンジニアとして長く働きたい人は資格の取得をはじめとするスキルアップや、円滑な人間関係の構築をできるだけ早くはじめることをおすすめします。