IoT(Internet of Things)とは?仕組みや具体例を解説します

私たちの暮らしは、新しいテクノロジーと常に隣り合わせの状態です。例えば、自動車や家電製品にも、最新テクノロジーが搭載されています。その中でも今注目されているテクノロジーとして、IoTを挙げられます。

IoTは私たちの生活を便利、かつ豊かにするために大きく貢献してくれています。しかし「IoTという言葉は聞いたことがあるけど、どういうものなのかよく分からない」という人も少なくありません。

そこで、本記事ではIoTについて分かりやすく解説していきます。さらに、本記事の後半では、各業界におけるIoTの実際の使用例についても紹介します。

IoTとは

IoTの読み方は「アイオーティー」です。IoTは「Internet of Things」の頭文字を取った言葉で、日本語では「モノのインターネット」といった意味になります。

IoTの主な役割は3つあります。

・離れた場所からモノの状態を把握する
・モノ同士が双方向で様々なデータをやりとりする
・人に関するデータを収集する

IoTが普及することによって、離れた場所から対象物を計測、制御できるようになっただけでなく、モノ同士で通信を行うことも可能になりました。IoTは今後ますます社会において広まっていくと期待されています。

IoTの機能

IoTには主に2つの機能が搭載されています。

・センサー機能(情報を受け取り、まとめる機能)
・データーの見える化(まとめた情報を発信する機能)

IoTに搭載されているセンサー機能は、取得したデータの中から必要なデータをまとめてくれる機能です。データをまとめた後、IoTのもう一つの機能であるデーターの見える化が稼働します。

まとめられたデータはAIによって分析を行い、情報をデジタル化し、発信していきます。

IoTの実際の例

ここ数年、何かと耳にする機会の多いIoTですが、私たちの生活のどのような場面にIoTは導入されているのでしょうか。

ここでは、IoTの導入事例について業界ごとに紹介していきます。

生活

多くの家庭にもIoTが導入された製品があるはずです。例えば、パナソニックのスマート家電シリーズの「どこでもリモコン」はスマートフォンを利用してオンとオフを管理できる他、温度設定を変えることができます。

外出先からも冷暖房を管理できるため、お子さんやご高齢の方のお留守番にも安心です。また、冷暖房の消し忘れに外出先で気付いた場合、外に居ながらにしてスマホ一つで電源をオフにできるため環境への配慮もバッチリです。

家電の使い方が分からない場合や、故障した場合など、サポートスタッフはトラブルがどこで起きているのか即座に確認できます。IoTはアフターサービスにおいても優れており、私たちの生活に安心感をもたらしてくれます。

医療

IoTは医療の進歩にも大きく貢献しています。患者の状態のより正しい理解や、患者の入院生活を快適、かつより安全なものへとすることにも貢献しているのです。

例えば、医療分野におけるIoTで現在注目されているものの一つとして、着用型ウェアラブルデバイスを挙げられます。患者にウェアラブルデバイスを着用させることで、生体データ(脈拍、心拍、血圧など)を計測し、データ化することができます。

医師は患者と距離があっても状態をモニタリングできるため、正しいデータを遠距離にいても把握できるだけでなく、もしもの時には早急な対応が可能になるのです。

また、近年では医療用のベッドにもIoTが導入されています。パラマウントベッドは、ベッドに横たわる人の様々な情報を集約し、ベストなケアを実現させる「スマートベッドシステム」の開発を行っています。ベッド内に搭載されているセンサーによって、睡眠状態、呼吸数、心拍数を測定することも可能です。

物流

物流業界では、IoTなどの最新テクノロジーを活用したDXを「ロジスティクス4.0」と呼んで、注目しています。通販などの普及により、物流業界の社会的役割はより一層大きくなりました。物流業界は多くの商品を多頻度で配達しなければならないため、配送作業の効率化などが問われているのです。

物流業界では、仕分け、棚入れ・棚卸し、ピッキング作業においてもIoTを導入しています。例えば、Amazonの倉庫はインターネットを介した注文には、倉庫内で棚が担当スタッフの位置まで自動で移動します。人間が広い倉庫内を歩きまわり、商品を取りに行く手間が省けます。

そのため、企業としては限られた人件費の中で、多くの商品を配送できるというメリットもあるのです。

配送作業においては輸配送管理システムにIoTが導入されています。人材の最適な配置、及び配車ルートの効率化といった配送現場の可視化に役立っています。

交通

交通面におけるIoT活用の例として、日立グループの「交通データ利活用サービス」が注目を集めています。日立グループは、分析精度をアップさせるための位置補正技術の開発を行い、現状把握のレベルを押し上げることに成功しました。

収集した情報やデータは、交通需要のデータ分析、及び可視化の推進にも効果をもたらしています。高速道路では、車両の混雑状況、区間の所有時間を可視化し、交通需要予測、バス運行計画の見直しにおいても参考にされています。

「交通データ利活用サービス」によって、渋滞への対策、運航計画の最適化などを考案しやすくなりました。今後、事故のリスク回避にもさらにつながると期待されています。

IoTの課題

私たちの生活に新しい価値を与え、生活に利便性を与えてくれるIoTですが、実はIoTには課題もあります。

IoTがこれから解決していかなければならない課題を見ていきましょう。

人材不足

日本においてIT人材の不足が課題となっていますが、IoT人材も例外ではありません。IoTに関心があるものの、IoTの知識がある人材がいないため、手を付けられないという悩みを抱える企業は多くあります。

少子高齢化が問題となっている日本では、今後ますます労働人口が不足すると見込まれています。高等教育機関におけるデータサイエンティスト育成を目的とした学部の創設などが求められています。

セキュリティ

企業によって保有されるデータがIoTによって増加するとともに、セキュリティリスクも増大します。IoTデバイスは一見すると、普通のモノにしか見えないことも多く、インターネットとつながっているという意識が薄れてしまいがちです。

ウイルス対策を怠ったり、外部からの攻撃に気付くことができなかったりすると非常に危険ですので、気を付ける必要があります。

IoTマルウェア「Mirai」によってDDos攻撃が行われた事件もあります。あらゆるモノがコンピューターと接続してIT化することにより、一般家庭にある家電などもDDos攻撃の対象となってしまうことが懸念されます。

まとめ

本記事では、IoTについて解説してきました。あらゆるモノとインターネットを接続するIoTは、生活、医療、物流、交通など様々な場面で導入されています。

IoTの仕組みについて詳しく知らないという方でも、日常生活の中でIoTに無意識のうちに囲まれ、いたる所でその恩恵を受けているのです。IoTのおかげで市民の生活が便利になるだけでなく、働く人の負担の軽減にも繋がっています。

IoTを導入した新しい製品は、現在においても開発が続いています。また、世の中に普及するテクノロジーのニーズの高さからも、IoTに対応できる人材も求められています。IoTは今後ますます暮らしの中に広がり、私たちの暮らしに身近になることでしょう。

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