海外在住の日本人や外国人が日本でフリーランスをするには?
- 2021/12/20
- コラム
フリーランスとして日本で働きたいという外国人や、海外に住みながら日本でフリーランスをしたいという日本人は多くいます。ビザを取得し、安定した仕事を見つけることができれば、いずれにおいても思いを実現できます。
本記事では、外国人が日本でフリーランスとして働く方法や、海外在住の日本人がフリーランスとして日本で働く方法について解説していきます。注意点や仕事の取り方についての説明も行いますので参考にしてみてください。
外国人が日本でフリーランスとして働ける?
日本でフリーランスとして働く外国人は増えています。通訳、翻訳、外国語講師などといった母語を活かした職業に従事される方の他、システムエンジニアやデザイナーなど、自身のスキルを活かして仕事をされている方もいます。
しかし、外国人が日本でフリーランスとして働く場合、各種手続きをきちんと終え、ビザを取得していることが大前提です。外国人が日本でフリーランスをする場合、「技術・人文知識・国際業務ビザ」、「芸術ビザ」など、従事する業務に適したビザを取得しなければなりません。
外国人が日本でフリーランスとして働くにあたり、ある程度の日本語運用能力が必要です。日本でフリーランスとして働きたい外国人の方は、日本での生活のためにも、仕事を円滑に進めるためにも日本語力を高めておくことをおすすめします。
ビザの種類
日本には、外国人が日本で働くにあたっての「フリーランスビザ」などといったビザはありません。フリーランスを一括りにしたビザはなく、従事する予定の職業によってビザは異なります。
たとえば、翻訳・通訳、システムエンジニア、デザイナーとして働く人は「技術・人文知識・国際業務ビザ」を取得します。イラストレーター、作曲家などは「芸術ビザ」が該当します。日本でフリーランスになりたい外国人の方は、自分はどのビザを申請するべきなのか、行政書士に相談してみるとよいでしょう。
いずれのビザを申請するにしても、クライアントと結ぶ業務委託契約の内容が重要になります。業務委託契約において契約が長期的であり、かつ安定的なものであることを証明する必要があります。
ビザの取得ポイント
ここでは、日本でフリーランスとして働きたい外国人の方が、ビザを取得するにあたってのポイントを紹介していきます。ビザを取得できなければ、日本でフリーランスとして働くことができないので、申請の際は以下を参考にしてみてください。
・契約先を申請代理人として申請する
申請代理人を付けず「セルフ・スポンサー」としてビザを申請しても、認定申請の許可が下りにくいとされています。フリーランスとして認定申請する場合、契約先に申請代理人となってもらい、申請することをおすすめします。
・安定した生活を送れることを証明する
ビザを申請するにあたって、フリーランスとして安定した生活を送れることを証明する必要があります。たとえば、日本で1年以上の業務委託契約があること、月額平均20万円以上に相当する収入を見込めることを証明できると安心でしょう。
・安定した企業との業務委託契約がある
ビザの審査では、雇用先企業の安定性も判断基準になります。業務委託先を探す際、安定した経営状況にある企業、資本金の多い企業を中心に探すことをおすすめします。
契約先の安定性などを証明するにあたって、決算書をもらう、契約する企業について資料を作成するといったことも重要です。
外国人が日本でフリーランスになる上での注意点
外国人が日本でフリーランスとして生計を立てていく場合、正社員として雇用されるよりも、注意しなければならないことは多くあります。
外国人が日本でフリーランスとして働くにあたり、必ず押さえておくべき5つの注意点は以下の通りです。
・短い契約期間の契約には注意し、3ヶ月以上無職の期間を作らない
・口約束で終わらせず、契約書を交わして証拠を残す
・社会保障には必ず加入する
・確定申告をし、納税する
・年収が低い場合、在留資格を更新できない可能性もある
日本でフリーランスとして働くには、契約先から請けた仕事をこなすだけではなく、各種手続きなどをしっかりと行わなければいけません。
海外在住の日本人が日本でフリーランスをする場合
海外在住の日本人で、フリーランスとして日本で活躍されている方も多くいます。たとえば、ECサイトの運営、ライター、アフィリエイター、翻訳家などで、海外に住みながら日本企業と取引しているフリーランスは珍しくありません。
海外でフリーランスをしたい場合、フリーランスビザ、もしくは就労ビザなどを取得する必要があります。ビザ取得の難易度は、国によって大きく異なります。
海外在住でも日本で仕事を得る方法
海外在住の日本人が、日本で仕事を得る方法はいくつかあります。ここでは、代表的な方法を紹介していきます。
・クラウドソーシングサイトを活用する
クラウドワークス、ランサーズといったクラウドソーシングサイトには、フリーランス向けの求人が多く掲載されています。職種は、エンジニア、デザイナー、ライター、イラストレーターなどさまざまです。業界経験や人脈がない人でも、仕事を比較的見つけやすいのでおすすめです。
・人脈を利用する
海外でフリーランスとして活躍したい方は、他者との結び付きが重要になります。幅広い人間関係を持つ人ほど、仕事を得られる可能性があると言えるでしょう。
人脈を利用して仕事を得る方法として、以下の方法があります。
・依頼を過去に受けた企業に問い合わせる
・滞在先の日本人が集まるコミュニティに参加する
・現地に所在する日本企業に営業する
・滞在国の知人に仕事を紹介してもらう
「居住者」と「非居住者」の違い
海外在住のフリーランスになりたいと考えている日本人の方は、「居住者」と「非居住者」の違いをしっかりとおさえておく必要があります。
居住者とは、国内に住所がある、もしく1年以上にわたり居所している個人を指します。対して、非居住者は、居住者以外の個人のことを言います。
海外に在住する日本人の納税について
海外でフリーランスとして働いていても、納税の義務があります。納税先は、居住者と非居住者で異なります。
海外在住の日本人フリーランスの納税先を確認していきましょう。
・居住者の場合
居住者が海外で収入を得た場合、日本に納税します。
・非居住者の場合
非居住者の場合、所得税法上、日本での課税は対象外となります。滞在している国に納税します。
まとめ
本記事では、海外在住の日本人や外国人が日本でフリーランスとして働く方法について解説してきました。いずれのケースでも、ビザを取得し、仕事を得ることができれば、フリーランスとして働くことが認められます。
外国人がフリーランスとして日本で働く場合、正社員として働くよりもビザの取得が難しいと言われています。ビザ申請時には、フリーランスとして安定した暮らしを営めるか、収入などで証明しなければなりません。
海外在住の日本人が日本でフリーランスとして働く場合にも、ビザ取得にあたっての準備や納税先の確認など、事前にやらなければならないことは多くあります。また、仕事が見つかるまで時間がかかるケースもあることを覚えておいてください。
海外在住の日本人や外国人が日本でフリーランスをすることは可能ですが、相応の準備や、覚悟が必要であることを念頭に置いておく必要があります。