ICT支援員の仕事とは!ITエンジニアとは違う?仕事内容や求められるスキルを解説

ここ数年、学校教育においてIT・情報通信技術教育の重要性は飛躍的にアップしました。

学校教育でのIT・情報科目の重要度、ないしニーズの高まりに比例して、ICT支援員は求められるようになりつつあります。この流れを受けて、文部科学省は「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画」を策定。2022年までに全国の小中学校において、ICT支援員を4校に1人配置することを目標にしています。

参考:2018年 文部科学省「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画」https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/04/12/1402839_1_1.pdf

そこで今回は、教育現場でより一層求められることになるICT支援員について、ご紹介していきます。

ICT支援員とは

小学校、中学校で情報の授業を受けていた時、ICT支援員はいなかったと思われる方も多いでしょう。「ICT支援員」という言葉が使われるようになったのはここ数年なので、現時点では聞き慣れないかもしれません。

ここからは、そんなICT支援員の仕事内容、職業として誕生した理由について確認していきましょう。あわせて、ICT支援員の業務形態、給料についても説明していきます。

ICT支援員の仕事内容

ICT支援員は小学校、中学校、高校などで、教員が使用しているPCや教材ソフトウェアなどのICT機器の使い方を指導し、授業のサポートを行います。

地域や学校によっては、ICT支援員が教員に対し、ICT機器の使い方について研修を開くこともあります。また、ICT支援員は教員のサポートを基本的に行いますが、子供たちにPCの操作を教えるケースもあります。

ICT支援員という職業が誕生した理由

「学校教育のIT化」に伴い、次世代を担う子供たちの情報活用能力の必要性が主張されています。このことは、2020年4月から小学校でプログラミング教育が必須化されたことからもうかがえるでしょう。

小学校、中学校、高校でIT教育、情報科目は重要視されており、かつIT・情報教育で扱うテーマの難易度もアップしています。多くの業務を抱えている学校教員がIT関連の知識や、PC操作などを子供たちに教えるために準備する時間は多くありません。

そこで、IT関連全般、及びPC操作などにも詳しい専門職員を学校に雇い入れようという動きが出てきました。ICT支援員が学校現場に配置されることで、教員の業務負担は減り、かつ子供たちはスムーズに授業に臨めます。

ICT支援員の雇用形態と給与

ICT支援員の雇用形態は、主に以下の二種類です。

①学校・自治体が直接雇用する
②自治体・学校が委託業務として契約する

ICT支援員の働き方は正社員、契約社員、派遣社員、アルバイト、パートなどさまざま。ICT支援員の中には情報系の大学院に在籍しながら、アルバイトとして働いている方もいます。

給与は、東京都の場合時給1800円前後、月給21万円~22万円前後。地方の場合は、時給1200円前後、月給20万円前後が一般的です。日給制の求人もあり、日給は9000円から10000円前後に設定されています。

ICT支援員の給与は一般的に見て高いと言えるでしょう。ICT支援員の求人のほとんどが時給1000円を超えているので、地方にお住まいの方も比較的高額な報酬を期待できます。

ICT支援員に必要なスキル

ICT支援員とは学校現場において先生をPC・情報機器操作の面からフォローする仕事です。それでは、ICT支援員になるために必要なスキルを見ていきましょう。

ICT活用のスキル

基本的に、ICT支援員にはICT活用のスキルが求められます。また、学校で使用されているソフトの知識や使い方も理解しておく必要があります。

しかし、SEのような専門的な知識までは求められません。IT関連の仕事のなかでも知名度の高いSEはソフトウェアの開発、システムの設計などを行い、企業を相手に仕事することが多いです。

一方、ICT支援員の仕事は、学校教育現場におけるIT関連の知識を活かしたサポートが主となります。ICT支援員は教員、子供たちがいる中で働きます。しかし、ICT支援員が教科の内容を教えたり、生徒指導を行ったりすることは原則的にありません。

コミュニケーション能力

ICT支援員には、コミュニケーション能力が必須。PC操作、ソフトのセッティングに困っている教職員に、丁寧に分かりやすく説明する能力が求められるからです。

ICT支援員は先生たちと共に働き、子供から「先生」と呼ばれる場面もあるので、社交性やコミュニケーション能力が必要不可欠なのです。

ICT支援員におすすめな試験

CT支援員になるために、教員免許は必要ありません。また、この職業に就くために必須の資格もありませんが、ICT支援員に応募する際、関連した資格を保有していれば、採用側に安心感を与えることができます。

ICT支援員認定試験

ICT支援員を目指すなら、このICT支援員認定試験を受けるのがおすすめです。

ICT支援員認定試験は年に2回(6月及び10月もしくは11月)、教育情報化コーディネータ認定委員会によって実施されます。ICT支援員認定試験の合格率は比較的高く、合格率は60%から70%と言われています。

試験は、A領域(実践的知識)と B 領域(問題分析説明力)で構成されています。ICTの知識に加えて、コミュニケーション能力も問われることを覚えておきましょう。

ITパスポート試験

ITパスポート試験は国家試験です。IT関連資格の王道とも言えるので、この試験に合格することによって、IT関連の基礎ができていることを証明できます。

ITパスポートの試験は全国の会場で毎週末実施されています。資格試験のなかでも受験のチャンスが拓かれているといえるでしょう。しかし、ITパスポート試験の合格率は半分程度であり、易しい試験ではありません。

ITパスポート試験では受験前から合格のボーダーラインが定まっており、「総合評価点600点以上であり、かつ分野別評価点もそれぞれ300点以上であること」が条件となっています。

情報セキュリティマネジメント試験

情報セキュリティマネジメント試験もITパスポート試験と同様に、国家試験になります。

試験は年2回(上期、下期)実施。合格率は半分程度となっており、簡単な試験ではありません。

しかしこの試験に合格すると、組織の情報セキュリティ確保に携わる能力をもち、脅威から組織を守るスキルを持つことが証明されますので、ICT支援員を目指す方は挑戦してみるのも良いでしょう。

まとめ

IT技術が飛躍的に進化している現代社会において、多くの会社がIT関連の知識やPC操作に精通している人を求めています。

このような社会のニーズに応えるため、学校教育ではIT・情報科目がこれまで以上に重要視されるようになりました。ICT支援員は情報社会と言われる今日の教育現場において必要であり、多忙な学校教員の負担を軽減するためにも大切な存在なのです。

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