勝つための企画書と競合プレの話

僕のいる業界には「競合プレゼン」というイベントがある。

金額で競う入札とは違って、提案内容で競うのが競合プレゼン。

クライアントから出されたお題に対して、複数のチーム、複数の会社がプレゼン合戦を行い、勝ったチームや会社がその案件を受注し、売上を上げることができる。

「選びたい」というのは人の性のようなもので、複数のチームから提案を受けられる競合プレをやりたがる企業は多い。

僕自身も何度も競合プレに参加して、勝ったり負けたりしてきたわけだが、正直「指名」でもらった仕事の方が本質的な企画ができている気がする。

競合プレになると「勝つ」こと「選ばれること」がどうしても最優先されてしまうからだ。

指名でもらった仕事なら、与えられたお題に対してストレートに企画を出すことができる。

それが競合になると「勝つための企画」に変わる。

この「勝つための企画」というのがやっかいだ。

簡単に言うと、選ばれるために企画をしているので、お題の先にある生活者を意識しているか?と言われると、必ずしもそうではない。

意識しているのはライバルであり、決済者だ。

常にその2者を念頭においてつくられたのが、競合プレゼンで出される案だ。

 

確かに競合プレゼンにすれば見栄えのする企画、選びたくなる企画が並ぶだろう。しかしそれは本当に求めていた企画だろうか。

競合プレをしたくなったら、少しだけこの記事のことを思い出してほしい。

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