【ICTの意味】ITやIoTとの違いは?具体的に何ができる?業界別に事例を紹介

ITが広く普及する中、ICTという情報通信技術が注目されています。ICTという言葉を聞き慣れないという人も少なくないと見受けられますが、ICTに日常的にふれている人は多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、ICTの基本を分かりやすく解説した上で、ICTの活用例などについても紹介します。

ICTとは

日本語で「情報コミュニケーション技術」や「情報通信技術」といわれるICT。ICTにはインターネットなどを経由し、人と人とを結びつける役割があります。

私たちの多くは日常生活の中でICTを意図せずに利用しています。例えば、外出先での書類作成や書類の送付、同僚とのコミュニケーションにおいてもICTを利用していることがほとんどです。

ICTの意味、読み方

ICTは「アイシーティー」と読みます。ICTは「Information and Communication Technology(インフォメーション アンド コミュニケーション テクノロジー)」の略語です。

ICTには「情報コミュニケーション技術」や「情報通信技術」といった意味があります。

ICTの歴史

1985年頃、多くの人たちが利用できる通信回線につなげられる端末といえば、公衆電話や固定電話に限定されていました。しかし、日本電信電話公社(電電公社)が1985年に民営化してNTTとして新たに設立したことにより、独占市場とされていた国内通信市場と国際通信市場に競争原理が生じました。

1985年以降、通信が自由化し、ICT産業は日本を成長させる産業として注目されました。その後、パソコンにも回線がつながって、インターネットやデータ通信が利用できるようになりました。

モバイル無線通信は携帯電話の普及によって一般化しました。そして、スマートフォンの普及により、ICT分野に革命が起きたといえるでしょう。スマートフォンが誕生したことによって、インターネットをモバイル化することに成功しました。コンパクトサイズでありながら、パソコンに匹敵するスペックを持つスマートフォンはコミュニケーションや情報収集などの方法を大きく変えました。

ICTが普及している今日、アメリカのGoogle、Amazon、Facebook、Appleの他、中国のBaidu、Alibaba、Tencentが特定の分野において大きくシェアしています。

IT、IoTとの違い

情報技術(Information Technology)という意味を含むITは、私たちにとって馴染みのある言葉といえるでしょう。ITはコンピューターのハードウェアやOA機器の他、インターネットの通信技術やインフラなどを含みます。

対して、ICTという言葉が頻繁に使われるようになったのは、比較的最近といえるでしょう。

以下、ICTとITの違いを確認しましょう。

・ICT
ICTが最も重視することは情報の伝達です。ICTは教育や医療などにおける技術の活用方法、もしくはそれの活用法を指します。

総務省は情報通信産業を頻繁に扱うため、ICTという言葉を使うことが多いです。

・IT
ITはハードウェアやソフトウェアの他、インフラなどのコンピューター関連技術そのものを指しています。

経済産業省は通信技術を扱うことが多いため、ITを用いることが多いようです。

ICTのシステム、機器

ICTシステムや機器には以下の物があります。

一例を紹介します。

・コンピューター
・プロジェクタ
・電子カメラ
・スクリーン
・各種センサー
・デジタルプレーヤー
・インターネット
・TV会議システム
・グラフ電卓
・プレゼンテーション用マウス

上記はICTシステム、機器の一部です。ICTは私たちが気づかない場所にも多数導入されています。

ICTの活用例、業界

ICTは私たちの生活においてどのような場面に導入されているのでしょうか。

以下、ICTの活用例やICTが導入されている業界を見ていきましょう。

教育

近年の教育現場では、義務教育機関や公立の学校においてもICTが導入されています。例えば、近年の小学校では紙のノートや教科書にあわせてタブレットやPCを利用する場面も増えています。授業でPCやタブレットを使うことで、学びを楽しめるだけでなく、テック操作に対する抵抗も軽減できるでしょう。

また、教員にとっても児童生徒にタブレットやPCを使ってもらうことで、受け持っている子どもたちの管理や教材作成の負担が軽減されることもあるはずです。

医療

ICTが医療現場に普及することで、患者は医師や病院とのアクセスが容易になります。例えば、一人暮らしで病院まで出向くことが困難な患者にはオンライン診療を提案できるでしょう。

また、オンライン診療は離島などで暮らす人たちの診察や服薬指導においても効果が期待できます。

介護

少子高齢化社会といわれる今日、介護業界は深刻な人手不足です。単身世帯の高齢者も増えており、見守りなどの問題も深刻化しています。

ICTを活用することで、離れた場所で暮らす高齢者の状況を確認できるようになりつつあります。家族が離れて暮らす高齢者に目が行き届きやすくなることや、少ない職員で介護施設に入居している高齢者のケアをできるようになるはずです。

防災

災害発生時に人々が取るべき行動のサポートをICTには期待できるでしょう。例えば、災害時の道路情報の提供があります。また、アプリ「救命ナビ」は混乱状況の中でいかなる行動を取るべきなのか提案してくれるシステムです。

多くの自治体が災害発生時に活用できるICT導入の他、ICTを活用してどのような防災措置を取れるか検討しています。

Society 5.0について

内閣府の「第5期科学技術基本計画」において、国が目指すべき社会としてSociety 5.0が提唱されました。

以下、Society 5.0について詳しく見ていきましょう。

Society 5.0とは

ICTはIoTやAI技術が普及する社会を表す「Society 5.0」に含まれます。

Society4.0では人と人との情報、知識の共有などの課題が発生しました。Society5.0ではこれらの課題を人とデジタル情報を結びつけることで解決しようとしています。

日本が目指す社会について

Society 5.0はサイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を融合させたシステムによって、経済発展、及び社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会のことです。

Society 5.0ではIoTによって人とモノがつながり、暮らしが便利になることを目標としています。また、複数の知識や情報が共有されることで、これまでにはなかった、新しい価値の提案が期待されており、困難や課題の克服を目指しています。

また、AIを普及させることで、求められている情報が瞬時に提供されるようになり、ロボットの開発などによって社会が抱えているさまざまな課題の解決を目指しています。

まとめ

私たちの暮らしはIT技術の発展によって大きく変化しています。1900年代後半に携帯電話によってモバイル無線機器が普及しました。その後、スマートフォンによりモバイル無線機器の制度が高くなり、かつ幅広い年代に普及したといえるでしょう。

現代社会では教育、医療、介護、防災など幅広い分野でICTが導入されており、私たちの暮らしは便利になっています。社会が抱えている、さまざまな課題の解決を目指しています。

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