「はたらいて、笑おう。」をビジョンに掲げるパーソルホールディングス株式会社は、11月19日のいい育児の日に向けて、全国の男女1100人(男女各550人)に対し、「男性育休に関する本音調査」(インターネット調査)を実施し、結果を発表した。
以下、プレスリリースより引用。
【調査結果サマリー】
- 男性の4人に3人が育児に積極的に参加したいと回答するも、育児に関して「パートナーの指示を待つ」と答えた方は23.1%。
- 男性が1か月未満・取得するつもりがないと答えた理由は、「勤務先の人員が不足している(代替人員の不足)」、「上司や同僚に迷惑をかけたくない」が上位となり、職場に対する罪悪感を抱いていることがうかがえる。一方、女性は「育休中のパートナーの役割がよくわからない」が1位となり、「取るだけ育休」・「指示待ち育児」に対する懸念がうかがえる。
- 本調査結果を踏まえ、企業における男性育休の風土醸成とパートナー同士の育児・家事に関する事前準備や話し合いが、真の男性育休普及につながると考察される。
【本調査の目的】
育児休業は、男女問わず子どもが原則1歳に達するまで取得することができるとされていますが、育児休業を取得した男性のおよそ半数が14日未満の取得にとどまっています※1。多様な人材の活躍および少子化対策として男性の育休取得促進が叫ばれる中、男性の場合、育児休業の取得を希望しても、職場の雰囲気や人員不足による周りへの罪悪感や遠慮、収入減少などを懸念し、取得を諦めるまたは希望する期間通り取得しない、など課題がありました。
こういった課題を解消すべく、厚生労働省は育児休業の取得を促すため、両親がともに14日以上取得した場合は、28日間を上限に育児休業給付の給付率を8割程度に引き上げ、手取り収入が変わらないようにする方針で検討していることがわかりました※2。
本調査では、こうした男性の育休(育児休業、育児目的の休暇)の取得を促す社会雰囲気の変化の中、男女双方に対し、男性の育休取得期間とその理由、育児・家事への参加やパートナーとの役割分担、男性育休推進に関するご意見などを質問し、男女それぞれの本音を対比しながら男性育休に関するこれからの課題を探ります。
※1 https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000851662.pdf
※2 https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/001166151.pdf
■「男性育休に関する男女の本音調査」の詳細
◆「育児に積極的に参加したい」が4人に3人でモチベーションは高い
男性に対して「育児に積極的に参加したいと思いますか?」とたずねると「育児に参加したい」が全体の76.3%と4人に3人までの男性が育児への参加を望んでいることが分かります。
◆育児や家事、パートナーの「指示待ち」の男性は23.1%
「あなたは育児や家事に対してどのように取り組みますか?」の質問に対し、「どちらかというとパートナーの指示を待つ」「パートナーの指示を待つ」を選んだ男性は23.1%となり、わずか4.9%だった女性と大きな差が見られました。フリーコメントからは、「赤ちゃんへの接し方」(30代男性・事務)「奥さんの気持ちをいたわりつつ、育児に自発的に参加できる流れ」(40代男性・販売/接客などのサービス)が知りたいなどの声があり、育児に参加したいモチベーションは高い一方、どうすれば良いかが分からない男性の気持ちがうかがえます。
◆適切な育休期間、男性は建前と本音の差が大きい
育休期間はどれくらいが適切なのかを聞いた質問に、「1か月以上」と答えた男性は67.9%でしたが、実際に自分がとるとなったらどうかと聞くとその結果は50%となり、本音としては長い期間の取得を躊躇する傾向がみられます。一方の女性は、男性の「1か月以上」の期間を選んだ方が58.4%%、自身のパートナーが取得する場合も55.8%と、変化はほぼみられませんでした。
◆長期育休取得に関する懸念、男性は「会社への罪悪感」、女性は「取るだけ育休」「指示待ち育児」
男性の中で、育休を「取らない(取るつもりがない)」、「1か月未満」を選んだ方に、その理由を聞いてみると、「勤務先の人員が不足している(代替人員の不足)」が21.4%、「上司や同僚に迷惑をかけたくない」が19.2%と上位理由になり、会社への遠慮や罪悪感から、その期間を選択していることがわかります。
一方の女性は「育休中のパートナーの役割がよくわからない」がトップで22.2%、「パートナーの育児をするイメージがない」も14.6%と、男性の「取るだけ育休」や「指示待ち育休」を懸念していると考えられます。
◆育休中の役割に、パートナー間のずれあり
男性に「育休期間中に担当したい(担当する)育児・家事」を質問したところ、上位に「買い物」、「子どもの遊び相手」、「おむつ替え」が並んだ一方、女性は「沐浴・入浴」「掃除・片付け」、「夜泣き・寝かせ付けの対応」が並ぶ結果となりました。育児や家事におけるパートナー間でしっかり話し合い、互いに期待している役割について共有することが大事であることが分かります。
◆「取っただけ育休」にも懸念、育休が終わっても共同育児・家事が必要
パートナーとの家事・育児の分担割合に関する質問に対し、育休期間中はパートナーと同じもしくは多い割合を選んだ方は55.8%でしたが、復職後は40.2%となり、約15pt下がる結果となりました。育休期間中だけ育児や家事に積極的になり、復職後はパートナーに任す「取っただけ育休」の懸念が浮き彫りになりました。
◆育児や家事に関するセミナー、研修に参加したい男性約8割、女性も約7割
育児および家事に関するセミナーや研修があれば参加したいかと聞いたところ、男性の約8割が参加を希望。女性も65.2%の約7割が参加したいと答えました。フリーコメントでは、育児に必要な知識の教育、効率よくお互い家事分担ができるために心得、子どもの成長に合わせた食事の準備などについて学べる研修を希望するなどの声がありました。
【APPENDIX】
◆男性育休推進および長期の育休取得についての評価・意見のフリーコメント(※一部抜粋)
【男性コメント】
- 一般には届いていると思うが、上司その他上の人からの理解を得ることが何よりも大事だと思う。(20代男性・ 事務)
- 育休中にできるだけパートナーが一緒にいることができる制度は高く評価できる。昔とは違い核家族化がすすみ、育児中は孤立してしまいがちなので、パートナーが居ることで孤立を防ぐことができる。(40代男性・総務)
- 個人的には必要ないと思う。昔はそのような制度が無くても子育て出来ていたから。(30代男性・クリエイティブ)
- 短期長期に関わらず、お子さんが大きくなるまでの間という期間で設定してその間いつ休んでも良いという環境(本人の働きやすい環境づくり)お子様の状態によっても期間延長等配慮が必要な場合も。(30代男性・ものづくりエンジニア)
- 取りやすい環境を作ろうとしている点は評価出来る。ただ実際に取れるかどうか?は浸透度による。(40代男性・企画)
- 少ない人数で仕事をこなしているので、職場に迷惑をかけたくないというのが本音です。ですが、一定程度の育休があるのは当たり前という意識が一般化してほしいですね。(30代男性・営業)
【女性コメント】
- まだまだ男性の育休は敷居が高いので、推奨している企業を応援したいと思うし、ぜひそのような会社で自分の旦那にも働いてもらいたいと思う。(40代女性・事務)
- 私自身育休中に子供と2人っきりの生活に孤独を感じて辛く、夫の休みが待ち遠しい気持ちだった。他にもサポートを受ける制度があるのかもしれないが、まずは男性の育休取得がしやすくなり夫婦で育児に取り組める社会になってほしいと思う。(30代女性・事務)
- 家事育児について熱心で本気で協力してくれるなら嬉しいが、奥さんの指示がないと動けない男性は、下手したら奥様の負担になりかねない。育休をとるなら会社ででもセミナーのようなものを開催してくれたら、と思う。(40代女性・営業)
- 育休は補償がしっかりしていればいいと思うが、家にいるだけで家事育児をせず、ダラダラされるような気がして、余計疲れそう。(30代女性・販売/接客などのサービス)
- 男性の育休の推進は良い事だとは思う。ただ育休を取るからにはきちんと育児をしなければ意味がない。家にいてダラダラされたりゲームばかりされたりするだけなら邪魔だし、ストレスが溜まるのでいない方がマシ。(30代女性・総務)
■調査概要
・対象者:「現在子どもがいる」「現在子どもはいないが、将来子どもを望んでいる」と回答した20歳~59歳までのはたらく男女
・サンプル数:1100人(男女各550人)
・居住地:全国
・調査方法:インターネット調査
・実施日:2023年11月6日~11月9日
・備考:本調査での育休は、育児休業および育児目的の休暇も含みます。
■パーソルホールディングス株式会社について
1973年の創業以来、人材派遣、人材紹介、アウトソーシング、設計開発など人と組織にかかわる多様な事業を展開。2008年10月に共同持株会社テンプホールディングス株式会社を設立。2017年7月よりパーソルホールディングス株式会社へ社名変更。
東京証券取引所プライム市場上場(証券コード:2181)。2023年3月期売上高1兆2,239億円。