andmedia株式会社が運営するMEDIA PRESSは、フリーランス向け情報メディア『フリマド』と共同で全国のフリーランスWebデザイナー104名を対象にインボイス制度に関するアンケートを実施した。
以下、プレスリリースより引用。
2023年10月1日から本格始動したインボイス制度。インボイス制度は、適正な納税の実現が目的の消費税申告制度です。
フリーランスや個人事業主の免税事業者に大きな影響を及ぼすとして、登録するかしないか迷われている方は多いでしょう。
フリーランスといってもエンジニアやライターだけでなく、俳優・声優さんなどさまざまな職業があります。
ではその中で、Webデザイナーのフリーランスとして活動している方の登録状況はどうなっているのでしょうか。また、どのように考えているのでしょうか。
そこで今回、フリーランス向け情報メディア『フリマド』(https://mobilinkinfinity.com/)と共同で、全国のフリーランスWebデザイナー104名を対象に「フリーランスWebデザイナーのインボイス制度」に関するアンケートを実施しました。
■調査サマリー
- インボイス制度について理解している方は74.1%
- 80.7%の方がインボイス制度に『不安がある』と回答
- インボイス制度の不安第2位は『登録しないとどうなるのか不安がある』第1位は…?
- 57.7%が適格請求書(インボイス)発行事業者として『登録していない』結果に
- 登録した理由として『売上・利益に大きく影響すると感じたから』の回答多数
- 登録しなかった理由第2位は『収入に影響がないと感じたから』!第1位は…?
- 今後は『経過措置終了後に廃業を検討している』方が26.0%
- 79.8%がインボイス制度の導入が今後の案件選びに『影響する』と回答
- インボイス制度が今後の利益に『影響を与える』と感じる方は67.3%
●インボイス制度について理解している方は74.1%
まず、「インボイス制度についての理解度はどれくらいありますか?」と質問したところ、
詳細を理解している:8.7%
おおむね理解している:40.4%
部分的に理解している:25.0%
あまり理解できていない:20.2%
全く理解できていない:3.8%
聞いたことがない:1.9%
という結果になりました。
合計で74.1%の方がインボイス制度について一定以上理解しているとわかりました。
●80.7%の方がインボイス制度に『不安がある』と回答
では、インボイス制度について不安があると感じている方はどれほどいるのでしょうか。
そこで、「インボイス制度に対して不安はありますか?」と質問したところ、
とても不安がある:24.0%
不安がある:56.7%
あまり不安はない:19.2%
不安はない:0%
という結果になりました。
合計すると、80.7%と非常に多くの方が不安を抱えていることがわかりました。
スタートしてから1ヶ月ほどしか経過していないため、登録・未登録が与える影響についてイメージしづらいのではないでしょうか。
●インボイス制度の不安第2位は『登録しないとどうなるのか不安がある』第1位は…?
では、具体的にはどのような不安を感じているのでしょうか。
そこで、「インボイス制度で感じている不安を具体的に教えてください。(複数回答可)」と質問したところ、
『売上や利益に影響がないか』という不安がもっとも多い結果となりました。
次いで『登録しないとどうなるのか不安がある』という不安も多く挙げられました。
インボイス制度の登録によって、免税事業者は課税事業者になります。そうすると、消費税も納税しなければなりません。
一方、登録しなければ取引先によっては契約打ち切りになる可能性もあるという情報もあるため、自分は大丈夫か不安になるでしょう。
●57.7%が適格請求書(インボイス)発行事業者として『登録していない』結果に
では、実際にどれくらいの方が適格請求書(インボイス)発行事業者に登録されているのでしょうか。
「適格請求書(インボイス)発行事業者としての登録状況を教えてください」と質問したところ、
登録した:42.3%
登録していない:57.7%
という結果になりました。
フリーランスWebデザイナーにおいては、登録していない割合が6割近くと、現状は免税事業者のままでいる方が多いことがわかりました。
●登録した理由として『売上・利益に大きく影響すると感じたから』の回答多数
では、適格請求書(インボイス)発行事業者に登録した方の理由について聞いてみました。
そこで、「適格請求書(インボイス)発行事業者に登録した理由を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、
『売上・利益に大きく影響すると感じたから』『いずれは登録する必要があるから』という回答がもっとも多い結果となりました。
さらに、『取引先の企業から依頼されたから』といった、理由も多数あることがわかります。
すでに行動に移している方は、適格請求書(インボイス)発行事業者に登録しないことで、取引に何らかの影響が出る懸念があるようです。
●登録しなかった理由第2位は『収入に影響がないと感じたから』!第1位は…?
一方、登録しなかった方の理由についても聞いてみました。
「適格請求書(インボイス)発行事業者に登録しなかった理由を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、
『制度について十分に理解できていないから』という回答がもっとも多く寄せられました。
登録の意思が全くないわけではなく、十分に理解したうえで検討したいという考えを持っているようです。現状は静観しておくといったところでしょう。
また、収入に影響がないと感じたからという回答も多く挙げられました。
現在は2割特例の適用期間であるため、登録していないからといって契約が打ち切りにならず、現状維持ができていることも要因の一つでしょう。
●今後は『経過措置終了後に廃業を検討している』方が26.0%
では、今後はインボイス制度にどのように対応していこうと考えているのでしょうか。
そこで、「今後のインボイス対応についてどのように考えていますか?」と質問したところ、
取引先からの依頼によって対応を検討する:32.7%
経過措置終了後に廃業を検討している:26.0%
免税事業者のまま活動を続ける:22.1%
2割特例の間は免税事業者のままで続ける:9.6%
初年度だけは免税事業者のままで続ける:9.6%
わからない・決めていない:22.1%
という結果になりました。
取引先によっては、インボイス制度の対応を検討する方や免税事業者のまま活動をする方が、それぞれ2〜3割ほどという結果となりました。
また、経過措置終了後に廃業の検討をしている方も多く、インボイス制度によってフリーランス人口が減少する可能性も考えられます。
●79.8%がインボイス制度の導入が今後の案件選びに『影響する』と回答
では、インボイス制度の導入が今後の案件選びに影響すると感じている方はどれほどいるのでしょうか。
「インボイス制度の導入で今後の案件選びにどれくらい影響しますか?」と質問したところ、
とても影響する:18.3%
多少影響する:61.5%
全く影響しない:3.8%
あまり気にしない:16.3%
という結果になりました。
79.8%の方が、案件選びに大小問わず影響が出ると感じていることがわかりました。
●インボイス制度が今後の利益に『影響を与える』と感じる方は67.3%
では、インボイス制度が今後の利益に対して与える影響についてどのように考えているのでしょうか。
そこで、「インボイス制度がスタートして今後の売上や利益に与える影響についてどう考えていますか?」と質問したところ、
売上・利益に大きな影響がある:26.0%
売上・利益に少し影響がある:41.3%
売上に影響があってもコスト削減で調整できる:5.8%
影響はほとんどない:11.5%
わからない:15.4%
という結果になりました。
合計6割以上の方が、今後の売上・利益にも少なからず影響が出ると考えているようです。
主に、取引先や単価などにも影響があると考えられるでしょう。
●【まとめ】利益への悪影響を避けるためにインボイス制度の理解と適切な対応が重要
今回の調査で、インボイス制度について不安を感じている方は『80.7%』、今後の利益に影響があると考えている方は『67.3%』いることがわかりました。
今後の対応としては、取引先からの依頼によっては対応を検討する方が多いようです。
一方、インボイス制度について十分に理解できておらず、静観している方も一定数いました。
インボイス制度は、スタートしてまだ1ヶ月しか経過していません。今後のアクションについては、制度が与える影響が見える化してからが最適といえます。
安定した売上・利益をあげ続けるためにも、きちんと制度に対しての理解を深めて自分で登録・未登録を判断することが重要です。
また、収入を上げていくための活発な行動も必要になるでしょう。
出典元:フリマド
調査概要
フリーランスWebデザイナーのインボイス制度に関する調査
【調査期間】2023年10月25日(水)~2023年10月30日(月)
【調査方法】インターネット調査
【調査人数】104人
【調査主体】MEDIA PRESS(andmedia株式会社)×フリマド
◆andmedia株式会社
・代表取締役:鳥越 凌
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