2023年のITフリーランス動向、言語はDart、フレームワークはSvelteの単価が高い傾向に

ボスアーキテクト株式会社は、2023年におけるフリーランスエンジニアの月額案件単価の推移、言語別単価ランキングの推移、フレームワーク別単価ランキングの推移に関する調査データを発表した。

本調査は、フリーランスエンジニアやデザイナーのための求人・案件サイト「エンジニアスタイル東京」に掲載された34万件を超えるデータをもとに集計された。エンジニアスタイル東京:https://engineer-style.jp

今回は、フリーランスエンジニア向けの案件の中でも、フリーランスエンジニアのフレームワークごとの平均の月額案件単価をまとめている。

以下、プレスリリースより引用。

フリーランスエンジニアの平均単価の動き

1月 613,529円
2月 622,941円
3月 630,588円
4月 574,827円
5月 632,156円
6月 634,901円
7月 639,215円
8月 638,823円
9月 641,568円
10月 639,803円
11月 640,588円
12月 641,764円

2023年のフリーランスエンジニアの月額単価の推移を分析することで、いくつかの興味深いパターンがあることがわかりました。

1月から3月にかけては、月額単価が徐々に増加していることが分かります。この期間に単価が上昇した理由としては、新年度のプロジェクト開始や予算配分の変化などが考えられます。特に、新しい年度の計画が始まる企業が多いため、フリーランスエンジニアへの需要が高まり、それに伴い単価が上がる傾向にあると推測できます。

しかし、4月には顕著な単価の減少が見られます。これは、年度初めのプロジェクトが安定する時期であり、一時的な需要の減少や、予算の再調整によるものかもしれません。また、4月は新たな人材の市場参入が多い時期であるため、供給量の増加による一時的な単価の減少ということも想像できます。

5月以降、単価は再び増加し始め、特に6月から12月にかけては比較的高いレベルで安定しています。この時期は、多くの企業が中期的なプロジェクトを進行させており、経験豊富なフリーランスエンジニアの需要が高まる傾向にあるため、単価が上昇していると考えられます。

全体的に見ると、2023年のフリーランスエンジニアの月額単価は比較的安定しており、特に後半は高い水準を保っています。これは、技術の進化やデジタルトランスフォーメーションの需要が高まっていること、また経験豊富なエンジニアへの需要が安定していることが影響していると考えられます。ただし、市場の変動によって単価が変わる可能性もあり、フリーランスエンジニアは市場の動向を常に注視し、適応することが重要です。

言語別単価ランキングの動向

1位 2位 3位
1月 Solidity Rust Dart
2月 Dart Solidity Rust
3月 Dart TypeScript Solidity
4月 Dart TypeScript Solidity
5月 Dart TypeScript Go言語
6月 Dart Solidity TypeScript
7月 Dart Solidity TypeScript
8月 Dart TypeScript Go言語
9月 Dart TypeScript Solidity
10月 Dart TypeScript Go言語
11月 Dart TypeScript Go言語
12月 Dart TypeScript Solidity

各月の1位から3位までの言語を見ると、特にDart、TypeScript、Solidityの3つが年間を通して上位にランクインしています。

特にDartは年間を通して非常に高い人気がありました。これは、Flutterのフレームワークの台頭と関連があると考えられます。Flutterは、クロスプラットフォームのモバイルアプリ開発に適したフレームワークで、Dart言語を使用します。モバイルアプリの市場が拡大し続けているため、Dartの需要が高まっているのだと予想されます。

TypeScriptは、JavaScriptのスーパーセットとしての機能や、型安全性の提供により、多くの企業や開発者に好まれています。特に、大規模なアプリケーションの開発や、既存のJavaScriptプロジェクトの改善において重宝されているようです。

Solidityの人気も注目に値します。これは、ブロックチェーン技術と特にイーサリアム(Ethereum)のスマートコントラクトの開発に使用される言語であるため、暗号通貨や分散型アプリケーション(DApp)の市場の成長に伴って人気が高まっています。

一方で、Go言語も年間を通して一定の人気を保っており、特にバックエンド開発やクラウドサービスの領域での需要が高いことが示唆されています。

これらの言語の人気度合いは、技術トレンドや市場需要の変化を反映しています。フリーランスエンジニアの月額単価のデータと合わせて考えると、特にDartやTypeScript、Solidityを得意とするエンジニアは、高い単価を維持しやすい状況にあると言えるかもしれません。技術の変化に敏感であり、新しい言語やフレームワークを学ぶことが、フリーランスエンジニアにとってますます重要になっていると言えるでしょう。

フレームワーク別単価ランキングの動向

1位 2位 3位
1月 Amon2 Svelte Gin
2月 Flutter Amon2 Svelte
3月 Flutter Svelte Amon2
4月 Yii Flutter Svelte
5月 Yii Flutter Svelte
6月 Svelte Yii Flutter
7月 Svelte Yii Flutter
8月 Svelte Flutter Yii
9月 Svelte Flutter Yii
10月 Svelte Yii Flutter
11月 Svelte Flutter Yii
12月 Svelte Flutter Yii

年間を通してSvelte, Flutter, Yii, Amon2, Ginの人気がうかがえるランキングとなりました。

Svelteが年間を通して高い人気を維持しているのは特筆すべき点です。Svelteは比較的新しいフロントエンドフレームワークで、そのコンパイル時のアプローチは、実行時のオーバーヘッドを削減し、より効率的なアプリケーションを作成することを可能にします。このため、パフォーマンスと簡潔さを重視する開発者に選ばれています。

Flutterもまた、年間を通じて一貫して高いランキングを保持しています。FlutterはGoogleによって開発されたUIツールキットで、モバイル、ウェブ、デスクトップのクロスプラットフォーム開発に対応しています。その柔軟性と一貫したユーザーインターフェースの提供能力が、広範な人気を得ている理由でしょう。

YiiはPHPで書かれた高性能なフレームワークであり、特にバックエンド開発での利用が多いことがこのデータからも伺えます。その高いカスタマイズ性と拡張性が、一定の支持を集めています。

Amon2はPerlのウェブフレームワークで、特定の月では高いランキングを記録していますが、年間を通じてはSvelte, Flutter, Yiiに後れを取っています。Ginも、Go言語の軽量なウェブフレームワークとして一部の月で人気がありますが、全体的な傾向としては他のフレームワークに比べると低い順位に留まっています。

これらのデータは、フリーランスエンジニアにとって、特定のフレームワークに精通していることが、市場での自身の価値を高める要因になる可能性が高いことを示唆しています。特にSvelteやFlutterなど、新しい技術に対応する能力は重要です。技術トレンドの変化に柔軟に適応し、学習を続けることが、フリーランスエンジニアにとってますます重要になっていくでしょう。

出典元:エンジニアスタイル東京調べ

■ボスアーキテクト株式会社 概要

代表者 : 代表取締役 蝦名弘紀
所在地 : 東京都世田谷区奥沢5-1-11 メゾンドジョワ202号
設立  : 2018年10月2日
事業内容: R&D、データ分析、ITコンサル、システム開発
URL : https://bossarchitect.co.jp/

転載元:PR TIMES(ボスアーキテクト株式会社・プレスリリース)

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