フリーランスの結婚で準備しておきたいことは? 後悔しないための意識改革

フリーランスという働き方は場所や時間に捕らわれない自由な働き方ができる一方で、不安定な収入、手薄い社会保障といった問題を抱えています。そのため、結婚を考えているものの、将来を不安視するあまり結婚に踏み出せないという人も多いです。あるいは、パートナーがフリーランスであるがゆえに、家族から結婚を反対されている人も少なくありません。

そこで今回は、フリーランスの結婚事情について説明した上で、フリーランスが結婚するにあたって準備しておきたいことや、何を意識すれば良いのかについて解説していきます。フリーランスで結婚を考えている人は、本記事を参考にしてみて下さい。

現在の結婚事情

近年、未婚率の増加が少子化や働き手の不足とともに問題となっています。日本社会全体を見渡しても、結婚しない男女が増えているといえるでしょう。特に、非正規雇用の未婚率の高さもまた深刻な問題となっています。

以下、こうした状況の中で、フリーランスの結婚事情はどのようになっているのか説明していきます。

フリーランスで結婚している人の割合

2019年における総務省の調査によると、20代フリーランスの結婚率は29%と高い割合となっています。同調査による、20代全体の結婚率が19%であることを考慮すると、フリーランスの結婚率は高いといえるでしょう。

参考:総務省 「労働力調査」

フリーランス全体を見ても、多くのフリーランスが結婚しています。一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会による2019年の調査によると、61.8%の人が「配偶者がいる」と回答しています。世間では、結婚に対して後ろ向きなイメージを抱かれがちなフリーランス。しかし実際には半数以上のフリーランスが結婚しているため、ハードルの高いものではありません。

参考:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会

収入面の不安の実態

フリーランスにおける大きなデメリットとして、不安定な収入が挙げられます。フリーランスの月収は成果物に対して支払われるため、定まった月収、年収、あるいはボーナスはありません。大きなプロジェクトに参加し、平均以上に稼いでいるフリーランスであっても、プロジェクトの終了とともに収入がゼロになる可能性も十分あります。

それゆえに、クレジットカードを作りにくい、金融機関のローン審査に通りにくいという問題に加えて、子供にかかる費用に関する悩みが重くのしかかるのです。

多様な働き方が進む中での価値観の変化

少子高齢化、労働人口の減少、働き方改革、リモートワークなどの影響により、多様な働き方が認められるようになりました。出社して仕事に従事する働き方や、企業や公的機関に属することだけが収入を得る方法ではありません。

そうした中で、フリーランスという働き方も急速に普及しています。フリーランスに対して「収入が不安定」「フリーランスって何?」といったマイナスのイメージを抱いていた人たちも、近年ではフリーランスについて正しく理解し、肯定的に捉えるようになってきています。

結婚するにあたって準備しておきたいこと

ここまで見てきたように、フリーランスという働き方を選択し、結婚をしている人は多くいます。

ここでは、フリーランスが結婚するにあたって準備しておくことを紹介していきます。

収入を安定させる

単発の案件ではなく、継続して発注してもらえるクライアントを見つけましょう。継続案件であれば、得られる報酬額も数ヵ月単位であらかじめ分かりますし、仕事を探す手間もないため、安定した気持ちで生活することができます。

フリーランスとして安定した収入を重視する人は、継続案件の獲得や、案件を多く持っているクライアントを探してみることをおすすめします。しかし、継続案件であっても、プロジェクトの終了などによって、契約終了となることを忘れてはいけません。

価値観を共有しておく

人によって価値観は大きく異なります。一緒に住むとなれば、生活リズム、倫理観、家事分担、生活費、趣味、仕事をする時間、さらには子供関係のことなど、相手がどのように考えているのか共有しておく必要があります。

好きだと思える相手であっても、自分とは異なる倫理観や考え方を持っていることに後々気付くと、結婚生活が上手くいかなくなることもあります。

生活費の把握で貯蓄を増やす

前述したように、フリーランスの収入は安定していません。そのため、比較的稼いでいる人であっても、できる限り貯金しておくことをおすすめします。ライフイベントや教育費に備えて無駄遣いを控え、準備しておくようにしましょう。

自身の収入を把握しておくことはもちろんですが、パートナーの収入も把握しておくとよいでしょう。どちらかに仕事があまりない月があったとしても、お互いに助け合えるはずです。

ライフスタイルの変化を覚悟する

生活スタイルをお互いに共有しておくことが重要です。フリーランス同士の場合、どちらも自宅で仕事をすることになる可能性が高いため、生活リズムや、部屋の使い方など、事前に話し合っておく必要があります。

休日や夜間の過ごし方なども人によって大きく異なります。どちらにとっても暮らしやすいようにするため、話し合いをしておく必要があります。

将来について話し合っておく

ライフプランにかかるお金について話し合っておくようにしましょう。収入が不安定で、かつボーナスもないフリーランスにとって、急な出費は家計に大きな影響を与えます。

また、子どもを持ちたいと考えているカップルは、子どもの教育費についても考えておく必要があります。子どもの進学する学校は公立か私立か、大学の学費は親が負担するかどうか、習い事の数や内容によっても、教育費は大きく変わります。

結婚後のフリーランスの節税

結婚することによって、活用できる節税方法の選択肢は増えます。独身の時には対象とならなかった制度も適用対象となりますので、上手く活用してみましょう。

以下、結婚後に受けられる節税の制度について紹介します。

青色事業専従者給与

青色事業専従者給与とは、パートナーを含む親族に事業を手伝ってもらった際に支払う給与のことです。給与を支払う相手は家族ですが、経費に計上できます。

扶養控除

扶養控除は、扶養者と共に生活を送っている納税者が対象となる所得控除です。最大63万円の控除が認められています。

パート収入に対する節税

フリーランスのパートナーがパートとして働くケースも多いです。配偶者がパートで働くと、収入が一定額に満たなければ課税の対象になりません。

たとえば、パートナーの収入がパートの収入のみ、年間103万円未満であれば所得税はかかりません。配偶者の年間所得が38万円以下であれば「配偶者控除」の対象です。

まとめ

本記事では、フリーランスの結婚で準備しておきたいことについて説明してきました。会社員や公務員と比較すると、不安定な立場にあるフリーランスですが、結婚しているフリーランスは6割を超えています。

フリーランスの中には結婚に躊躇してしまう人もいますが、フリーランスゆえのメリットもあります。場所や時間を問わずに働けるため、転勤や単身赴任などの心配も基本的にないですし、夫婦や家族の時間を大切にすることもできます。

案件の選び方、将来に向けた貯蓄、価値観の一致などを意識することによって、フリーランスという働き方でも家庭をつくることはできます。フリーランスが結婚する場合、互いに助け合っていこうという気持ちが重要です。

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